ギフテッドの子にボードゲームとか ホームスクールとか

子供とホームスクールで遊びまくってます。色々家で教えてきたので手作り教材とか多め。ボードゲームも好き。子供にフラワーアレンジメントとか。遊戯王歴8年、親子で駆使するデッキは300個以上。遊戯王のオリカ作成、デュエル中のディレクターや音響さんは子供が担当。

ヒュプノセラピー行ってみた

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以前から興味あったけれど、矛盾した胸の思いをすっきりさせたくて思い切って行ってみました。あの、よく外国映画で、えぐぜくてぃぶが、マンハッタンの高層ビルの最上階のガラス張りオフィスで、寝椅子に横になって術者に質問されながら何か言わされてるやつ。

広くゆったりしたワンフロアはアジアンテイストで、インド綿や麻などさまざまな素材の几帳やついたてで仕切られ、ふしぎな香りが漂い、籐で編まれた丸いかごの間接照明のライトがいくつかゆらめいていて、そこは入るなりリラックスする空間でした。
でも入口が半ドアになってていきなり後ろから声かけたので、無心にデスクを拭いていた術者の先生、しっぽ踏まれた猫ぐらいめっちゃ飛び上がっていてこっちのほうがびっくりしたわ。

さてそれはともかく。
気を取り直した術者の先生は美しげな女性。特に大きすぎるほど大きな瞳がどこか人とは違った印象を受ける。ジャスミンティーを淹れてもらい、ヒュプノの特異性や注意点などをあらかじめ説明を受けて、家族構成や何を聞きたいかなどを聞かれていよいよ憧れの寝椅子へ。
意識失うほどの深い催眠というのではなくて、非常ベルがなったらすぐにはねおきて的確な行動ができるぐらい覚醒はしているのだけれど、でも目覚める直前の夢の中のような、そんな時間。
素人考えにも、効果を上げるためには心を開かないといけないのだろうなという想像はついて、でもそれって最も傷つきたくない部分をさらけ出すことになるんじゃないの?という恐れも出ました。
そんな恐れさえ正直な自分の一部だから、それも対象なんだと思い直しているうちに、部屋のライトが落ちてカーテンも閉ざされ、間接照明のあかりだけがぽつぽつ見えて、音楽も流れ、風もないのに観葉植物の葉だけがゆれるような錯覚の中、ますます心地よくなって、誘導に身を任せても恥ずかしくないんだという思いに少しずつなっていきました。

最初は、繰り返し繰り返し、手や足や頭、腰やおなかの力が抜けていくさまをイメージ。
「呼吸が、楽になっていきます。私は、下をむいていて、見ていないので、気にしないで下さい。そして、また少し、手の力が抜けていきます。指先まですっかり、気持ちよくだらんとなっていきます。」
と流れるような言葉の暗示がひとしきり続きました。
「いつも、あなたの腕や手は、ほんとうによく働いてくれます。ありがとうといってください。」と言われた時は心が動かされ、動揺しましたが、そんな自分を見られるのが恥ずかしいという意識もあり、いかに自分が人の目を意識してビクビクしているのかと、さらに恥ずかしくなりました。
しかし暗い事もあり、そんなことには気づかないかのように、術者はあくまでさりげなく続けていきます。
いよいよ無意識の世界に降りるときがやってきたようで、階段をイメージするような暗示。
私は、しゃれた手すりの大理石の、大きなカーブの付いた階段の一番上に立っています。ですが、何ともいやなのが、その階段の一番下には灰色の雲海が渦巻いているのですよ。超ヤバい予感。木星のメタンガスの海みたいなやつ。入ったら最後消滅しそうな。
それでも一段一段、降りて、一番下に着くと意外と固い地面でそうでもなくて、誘導によって高原に。
芝桜の、白と紫の小さな花が地面を覆うようにさいていて、その茎はとても細くもろかった。亜寒帯の花のように、地面にへばりつくようにしか咲けないんだ。
でもメタンガスの雲海は消えたのではなくて、実は階段を降りた瞬間に、自分の左真横にとてつもなく高くとげとげしいイバラの壁となって現れて、何としても左へは行けないばかりでなく、ぐいぐい押し込んできているのでした。太いイバラの茎の間には、赤黒い大きな花がいくつも咲いていました。
左はそんな圧迫、右側は開けた高原の世界であることを説明すると、術者ももう少しその事について聞いてきましたが、壁はそのままにして、高原に目を向けるように暗示されました。

お約束のように、足元に動物が現れます。太った白いモグラです。もっちーのサムネイルのまんぷくもちもちBIGぬいぐるみ@カービィのような、好感の持てる子です。「どのようにしていますか?」
「突然地面の上に出て来てしまったので、戸惑っています」
「ではひとしきりその子と遊んだあと、川に降りて行きます。どのような川が見えますか?」
「とても水量が豊富な、暴れ川で、意外と浅いがひとたび入ると命の保証がないくらいの流れの速さです」
「水は、濁っていますか?透明ですか?」
「常に水しぶきで白く泡立って、浅いのに到底、底が見える事がありません」

ここで突如、現実世界で、トイレに行きたくなってしまいます。事前に行ったにもかかわらず、でも・・・意識がさまたげられるのが余程まずいと思ったので、思い切って術者を信頼して言ってみました。
「トイレに行きたくなってしまいました」
すると驚いたことに、なんら問題を感じさせず「どうぞどうぞ」という反応だったのです。はねおきて行って、あまり現実に戻らないように半覚醒のままのほうがいいと思い鏡や周囲も見ないようにして、そのまますぐに戻り寝椅子にすっぽり入ると、即時に川の世界に戻りました。
すると驚いたことに、その時まであった黒いイバラの壁が、それを機に5mほど左に後退しているのです。
真横にあってぐいぐい押し込んでくる感が消えました。
(そうか、自分はあれをするにもこれをするにも、人に許されないとしてはいけない、
自分が好きなことをすると人が苦しんだり何か嫌なことを言われると思っていたんだ・・・でもいま、大切なトランス状態の術の真っ最中なのに、あろうことか中断する事を、なんでもないこととして自分は許された。それがこのイバラの壁の後退。
自分はこんなにも、あれをしてはいけない、これをしてはいけないと思っているのかと思うと胸がつまりました。)

ふたたび川・・・。
「ではその川の上流に行きますか、下流に行きますか?」
「上流に行きます」
「そこに誰かいます。誰ですか?」
「赤と黒のベルベットの服を着させられて、黒縁の不細工な眼鏡をかけさせられて、やりたくもないおかっぱ頭に似合わないベレー帽を被せられて、ピアノの発表会に出ている子供です。着ている赤いベルベットの色は、あのイバラの壁に咲いている赤黒い花の色と同じです」
「それは知っている人ですか?」
「自分です」
「どう、感じていますか」
「とても似合わなくて・・・ぶすっとした表情をしています」
「感じていることのほうを、言って下さい」
「とても似合わなくて、こんな格好をさせられて・・・その自分の姿を見て腹を立てています。」
「何に腹を立てていますか」
「・・・醜さに」
「他に何か、感じていますか」
「母親に、こんな格好させるなんて!と思っています」
・・・・・・・・
・・・・
「では、その子に近づいてください。その子はどうなりましたか」
「もうすでに来て、左ひざの上に乗っています」
「何か言っていますか」
「いえ、何も。むっつりと黙り込んでいます」
「そうですか。ではその子に、どうしたいのか聞いてあげてください」
「まだ黙り込んでいて、下を向いているけれど、気持ちはこっちを向いてくれてます。言わなくても気持を分かって、って言ってます。この黒ぶちの眼鏡と、不細工なベレー帽を取って投げ捨てたいって言ってます」
「では、そうしてください」
「むしりとって投げ捨てました。」
「その子は、どんな風になりましたか」
胸がつまり声がおかしくなりました。
「とても・・・美人です」
かすかに、術者が微笑んだような感じがしました。
「ではその子を抱きしめて、気持ちが分かるよって言ってあげてください。
ひとしきり、遊んでやってください。一緒に、高原のお花畑にいます。地面の固さを感じています。光の風が、吹き渡っています。太陽が、暖かく照らしています。」
「私とその子は、並んで座っています。足元には、黄色い月見草の花が風に揺れて丈高く咲いているので、2人で摘んで、笑いながら眺めました。」と答えました。
ふと見ると、4歳ぐらいだった子が、心なしか小学生くらいの少女の顔になっています。表情もすっきりとして、素直になっています。
「ベルベットの赤いドレスも、さっきは似合わなかったけれど、今は似合っています。」
「そうですか、ではその子と遊んだあと、そのまま置いておきますか?心の中に戻しますか?」
「このままで・・・」
「わかりました。では、今から戻ります。・・・・・」

すべて終わって、あかりがついて、内容に対する分析は自分で自分の心に問いかけて行うものらしく、気分を聞かれたりお茶を頂きながら、すこしお話をしました。
料金を払い御礼をいって立ち上がり、その日は寒かったのでマフラーをしてきたのですが、首にかけてから気づくと、それは赤いベルベットのマフラーでした。
少し驚きながら(もうこれはいらないのかもしれないな)と思いつつ、ルームを後にしました。